創業計画策定ガイド

店を開きたい、会社を作りたいなど「創業しよう!」と思ったけれど、
何から手をつければ良いのか分からない…。
そんな方のために創業を思い立った時から創業まで、
具体的な資料や情報とともに説明し、夢を実現するお手伝いをします。

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夢を文章に書いてみる

「なぜ創業したいのか」「創業してどうなりたいのか」を書いてみることで、創業への漠然とした憧れを、目標や動機づけとして明確化することができます。「自己実現をしたい」「お金持ちになりたい」などなど、人によって創業動機は様々ですが、人生を賭けられるだけの理由を見出すことができれば、創業後の成功への原動力となるはずです。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

夢を大きく持つことと、現実逃避を混同しないよう自分が本当に本気になれる動機を探してください。その動機は、その後の経営理念や事業内容にも営業してくるでしょう。

ライフプランの検討

創業は人生の一大転機であり、自身や家族の人生に大きな影響を与えます。また、勤め人の時と異なり、将来を見通すことが難しくなります。だからこそ、入念にライフプラン(人生設計)を練ることが大切です。年収や将来の出費を予測して、必要な収入額や創業資金積み立ての期間を検討することが必要です。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

結婚、出産、子どもの就学などにかかる将来の出費をいかに具体的に予想できるかが重要です。また、定期預金等記録が残る方法で創業資金をコツコツと積み立てることで、創業融資を受ける場合の信用に繋がります

自己分析

創業には、成功の可能性の対価として、自分や家族の人生に対して大きなリスクが伴います。軌道に乗るまでの不安定な生活やハードな労働時間、借金の返済など…勤め人だった時には創造もつかないような絶え間のないプレッシャーが待っています。
創業に対する家族の理解を得ることは当然のこと、創業してから「こんなはずじゃなかった」、「雇われていた方が楽だった」なんて後悔をしないためにも、客観的な自己分析をすることが大切です。「自分は本当に創業するべきなのか」、「心身の苦労に耐える覚悟はあるのか」、「創業者として足りない部分はないのか」などなど、あらゆる側面からも自問自答してください。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

過大評価や過小評価にならないよう可能な限り客観的に採点することが大切です。本音で話し合える友人や家族がいれば、採点結果を見てもらい、他人からみた視点とのギャップを認識することも必要です。

市場調査・業界研究

どんなに斬新なアイデアであっても市場動向やニーズとマッチしていなくては経営を継続させることはできません。また、それぞれの業界によってビジネスモデルや慣習が異なります。そのため、既に業務経験があり精通している業種・業界で創業することが望ましいと言われます。やむを得ず経験の無い業界で創業する場合や業界をまたがった新ビジネスを始める場合は、業界動向や消費者ニーズ、特徴について入念に調査研究することが求められます。調査のためには、インターネットや書籍等で情報収集する方法と、業界に携わる人や消費者と実際に会い情報収集をする方法の両方を実施する必要があります。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

記入例は自社の既存商品の強み弱みを分析する際の例ですが、他社の既存商品を分析することで、他社製品の弱みからビジネスチャンスを探り出すことにも活用できます。

お役立ち情報
(小牧商工会議所会員は無料でご利用いただけます)
商品別売上動向分析に便利!
全国のスーパー・コンビニ等の商品別売上ランニングやシェアの推移を知ることができます。
延びる市場と縮む市場を分析するのに役立ちます。
(外部リンク)
業界研究に便利!
200種類以上の業種・職種の特徴や資金計画・収益シュミレーション等が掲載されています。
(外部リンク)
市場動向調査に便利!
130種類以上の業種・職種の市場動向や消費者ニーズ統計調査結果が掲載されています。

事業アイデアの検討

さまざまな店や商売が乱立し、消費者の目が肥えてきている現代では、他社と同じ事業を行っていても成功することは困難です。いかに自身の強みを生かし、ビジネスチャンスを捉え、差別化を図った事業を考えられるかが成功のカギになります。単純に「飲食業をしたい」「美容室を開業したい」というだけでなく、どのような客層をターゲットに、どのように他社と異なった商品・サービスを提供していくかを検討することが、創業において最重要ポイントです。まずは、お役たちツールのSWOT分析シートで内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)の整理を行い、その結果を基にクロスSWOT分析シートで事業アイデアを検討してみてください。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

環境分析に力を発揮します。各項目をできるだけたくさん挙げることで、隠れたチャンスの発見につながります。明確になった強みはさらに磨きをかけ、弱みは克服できるよう努めましょう。外部環境(機会・脅威)における消費者ニーズをさぐる上では、普段から不便に感じていることや、こうなったら良いのにと思うことを基に検討することで、消費者の潜在ニーズをあぶりだすことができます。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

SWOT分析したデータをクロスすることで、事業アイデアの検討材料になります。
「強み×機会」は、強みを生かして、チャンスを勝ち取るアイデア
「強み×脅威」は、強みを生かして、ピンチをチャンスに変えるアイデア
「弱み×機会」は、弱みを補って、チャンスを勝ち取るアイデア
「弱み×脅威」は、弱みから最悪のシナリオを回避するアイデア
という意味を持ちます。「強み×機会」で考え出した事業アイデアが最も優先するべきアイデアで、創業における中心的な事業アイデアになります。このアイデアを実行しながら他のアイデアで補強していくことで、他社との差別化が高まります

事業コンセプトの検討

今後の経営の方向性となる事業コンセプトの検討は、創業計画の中でも最も重要な作業です。『事業アイデアの検討』を1歩前進させ、具体的にし、掘り下げ、誰に対してどんな商品やサービスを、どうやって、いくらで提供していくかを検討します。事業コンセプトが曖昧だと、顧客は何が売りたいのかよくわからない店(事業所)になってしまい、他社との差別化が図れなくなる可能性もでてきます。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

各項目別に書き出すことで、曖昧だったり漠然としていたコンセプトが明確になります。自社の求める最上の顧客を具体的に定義し、その目線で「商品・サービス」、「価格」、「販売方法」、「販促活動」の4つの側面を検討することがポイント。

立地・商圏分析

小売業・サービス業のような店舗営業の場合は、立地条件がその後の売上に大きな影響を与えます。家賃や間取りだけでなく、その地域の通行量や人口、年代層、近くに学校や企業、工場など大きな施設があるかどうか、その地域の人たちのライフスタイル等も調査する必要があります。取扱商品によって理想的な立地条件は異なるため、自社が想定する顧客ターゲットを見極めることが重要です。

お役立ち情報
(小牧商工会議所会員は無料でご利用いただけます)
商圏分析に力を発揮!
年齢別人口や世帯データ、消費支出・購買力データ、富裕層データなどを駆使し、地域の評価を行います。 自社の理想的な立地を分析します。
商圏分析に便利!
商圏レポートのデータに加えて、商圏調査シートを使った実際の調査をプラスすることで、より正確な商圏分析が可能になります。
店舗物件診断に便利!
物件を見ただけでは分からない隠れた落とし穴がある場合もあります。入居する前に近隣の店舗や住民への聞き込みなどもできると、分析結果がより現実的なものになります。
事業評価に便利!
上記の商圏分析を事業内容を基に、自社の商売が成り立つかどうか客観的に評価してください。不安要素や懸念される案件がある場合は、『事業コンセプトの検討』に戻り、再検討が必要になります。

損益計算の検討

どの程度の売上が見込めて、どれくらいの費用が掛かり、結果、どのくらいの利益が見込めるかを検討します。楽観的な計画や希望的観測ではなく、シビアなラインを見込んでおく必要があります。

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(出典元:J-Net21)

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(出典元:J-Net21)

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

売上予測は、業務経験や近隣同規模の同業他社の様子を参考にします。原価率や経費の想定は【外部リンク・小企業の経営指標/日本政策金融金庫】が業界平均値を掲載しているので参考にしましょう。ただ、単なる数字合わせにならないように、原価率やアルバイトやパートなどの人件費などが想定どおりで、できるかどうかをよく検討してください。

btn_sougyo_21.png  (外部リンク)

資金計画の検討

開業時の設備資金や運転資金、軌道に乗るまでの生活費などを踏まえ、どのくらいの資金が必要かを検討します。また、資金繰りが滞らないよう入金(売上金・借入金など)と出金(仕入れ・経費・設備投資・返済・生活費など)の予測を行う必要もあります。現金取引ではない場合の回収サイトや買掛金の支払いサイトを確認することも大切なことです。自己資金だけで開業費が賄えない場合、どの金融機関から融資を受けるかも検討しなくてはなりません。創業者向けの融資制度は日本政策金融公庫の創業者向け融資か、県や市の創業者向け制度融資かのいずれかが一般的です。

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(出典元:J-Net21)

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(出典元:J-Net21)

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

開業時の運転資金として、売上が全くなかったとしても3ケ月は持ちこたえられるだけの資金を確保しておく必要があります。また、創業計画書にはありませんが、6ケ月程度の生活費も確保しなくてはなりません。自己資金として必要資金の1/3以上は、用意しておくことが望ましいです。

行動計画の検討

自身で作った損益計画、資金計画を実行するためのスケジュールを検討します。各種手続き申請や工事の発注、設備の購入、PR活動のスタート時期など細かい事項もピックアップし、チェックする必要があります。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

各種提出書類や融資申請などのほか、新事業のPRなどは、忘れずに計画を立てましょう。また、人材確保はスケジュール通りにいかない場合もありますので、余裕を持った計画を立てましょう。

創業計画の完成

これまで検討してきた全ての計画や情報、データをもとに、必要事項を簡潔にまとめて創業計画書の完成です。創業計画書に加えて上記で作成した各種シートも補足資料とすることで、金融機関への創業融資申込の際の重要な資料となります。

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(出典元:J-Net21)

ワンポイントアドバイスONE POINT ADVICE

創業計画書は、あくまでも創業する時点の目標です。実際に事業を進めるにあたっては、計画通りにいかないことも多々あるはず。その時には、もう一度前のステップに立ち返り、実際の状況に合った事業計画書を作り直す必要があります。それを繰り返すことで、より正確な未来への『読み』が身に付くはずです。

ご注意と確認

ご紹介したお役立ちツールはあくまでもフォームですので、使い方によっては間違った答えを導き出す恐れもあります。ご利用の際は、小牧商工会議所または「専門家ナビ」の専門家にご相談ください。

この策定ガイドは、創業計画を策定するうえで一般的に最低限必要な流れをまとめた例です。場合によって、ステップの順番が前後したり、並行して進めたりする必要もあります。また、ここに記載した事項が創業に求められることの全てではありません。